都会の喧騒に疲れ、2年前に妻と山梨の小さな村に移住した。元々はIT企業でバリバリ働いていたが、ストレスで体を壊し、「このままじゃダメだ」と決意。古民家を借り、畑を借りて自給自足に近い生活を始めた。
最初は土の扱い方もわからず、トマトは全滅、キャベツは虫に食われた。それでも、近所のおじいさんが「こうやって植えるんだ」と教えてくれて、少しずつ収穫できるようになった。朝は鶏の声で目覚め、夜は満天の星空。
都会では味わえない静けさが心を落ち着ける。妻と二人、薪を割ったり、保存食を作ったりする時間が愛おしい。ただ、冬の寒さやネットの遅さには閉口する。移住は楽じゃないけど、自分の手で生活を築く喜びがある。都会の友人が遊びに来ると「羨ましい」と言うけど、汗と泥にまみれる覚悟も必要だ。自分らしい生き方を、ここで見つけた気がする。