去年、42歳でフルマラソンに挑戦した。元々運動は苦手で、走るなんて学生時代以来だった。きっかけは職場の同僚が「一緒に走らない?」と誘ってきたこと。軽い気持ちでOKしたが、練習を始めてみたら想像以上のキツさに挫折しそうになった。
朝5時に起きて走る習慣をつけるまで、3ヶ月かかった。膝の痛みや息切れに悩まされながらも、徐々に距離を伸ばしていった。レース当日、スタートラインに立った時は緊張で胃がキリキリした。沿道の応援や一緒に走るランナーのエネルギーに励まされ、なんとか30キロまで走れた。
でも、そこからが地獄だった。足が動かなくなり、歩きたくなる自分と戦った。最後の5キロは気力だけでゴール。タイムは5時間半と遅かったけど、ゴールテープを切った瞬間、涙が止まらなかった。マラソンは自分との闘いだ。完走メダルを手に、今でもあの達成感を思い出す。